もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

犬の散歩中のできごと

いつもの散歩コース、子犬が死んでいた....

 

自分の家の前は車通りのほぼない、山と山の間を流れる川沿いの道路。

車二台がギリギリすれ違えるくらいの道幅で、そこを毎日犬と散歩している。

 

その日も夕方、犬と散歩に出かけた。

途中、山の奥から流れてくる小さな小川と道路が交差する。

そこで小川に横たわる子犬を発見した。

見た瞬間、死んでいるとわかった。

そこには沢山ブンブンと羽音を立てて飛び回る物がいたからだ。

 

毛の色は薄茶色、首輪はなかった。

体長は50センチ程、年齢はよくわからないが子犬に見えた。

腐臭はまだしてなかった。

 

この道路は人の目が無いので、人の本性が如実に現れる。

不法投棄はもちろん、複数の猫が箱に入れられて捨てられていたりもした。

それにタヌキやキツネが川に捨てられているのを何度も見たことがある。

鹿が川に浮いていたときはさすがに110番したが....

この子犬も、心無い人にここに投げ捨てられたのだろうか?

人には性善説性悪説とがあるというが、どう考えても後者だろうと

思えてきてしまう。

 

いったいどうするか考えた。「無視する」か、それとも「埋ける」か。

「埋ける(いける)」とはこの辺りでは「埋葬する」の意味で使う。

このまま、埋けてやるのも捨てたヤツの思惑通りの感があって不愉快だったが

無視するのも後味が悪い....とにかく子犬を埋けることにした。

 

殺虫剤を噴射し周りを飛ぶ物を追い払って、川から子犬を引き上げた。

山裾の平坦な所に穴を堀って、そこに子犬を埋けてやる。

穴の中に子犬を寝かせて土をかぶせ、その後、横に少し大きな石を置いた。

「せめてもの、墓標や....」

そうつぶやいて、手を合わせた。

 

縁もゆかりもない、見ず知らずの子犬の亡骸をわざわざ埋けてやる....

「とんだお人好し野郎だな」

と馬鹿にされるけど、そこはどうでもいい。

こんなところにゴミのように捨てられて、そのまま朽ちていく....

それはあまりにもかわいそうすぎるし、悲しすぎる。

最後くらいはちゃんとこの子犬を弔ってやりたかった。

 

 

自分は決していい人ではない。ただエゴでやっただけ、

 

「子犬よ!必ず恩返ししろよ!!」

 

そう、恩を売るためにやっただけや....

 

 

かなり腹立たしい出来事やったから、この写真でなごもう。

 

 

 

オキニのスペースでくつろぐウチの犬