猛暑日にお店に入れない
家電量販店とかのお店の入り口に設置してある、非接触型の体温計。
高熱が出ている人の入店を、遠慮してもらうためにあるんだけど、
困ったことになってしまった。
それは、30℃以上の真夏日。お昼過ぎのカンカン照り。
買い物をしようと、家電量販店に車で出かけた。
車を止めて、店の入り口まで20メートルほど歩いた。
「暑い」
それ以外のことは言う気がしなかった。
そこにはスマホみたいなのに顔を近づけて測る、
非接触型の体温計が設置してあった。
とりあえず、体温を測ってみることにした。
画面の顔の輪郭マークに合うように顔を近づけてみる。
「37.4度」
「ブー------------------」
画面が赤くなって、警告音が鳴って
「体温の高い方は入店をご遠慮ください」
と警告メッセージが表示された。
焦って、一旦店の外へ出てしまった。
「機械のエラーか?別に病気になんかなってないけどな。
もう一回測ってみよ。」
また入り口の体温計の前に立って体温計に顔を近づけた。
「ブー------------------」
「37.4度」
赤く染まる画面、逃げるように車へと戻った。
「これは、暑いところにいたせいやな」
家電量販店に来る前に、エアコンの効きが弱い店に30分ほどいた。
そこで、まず体温上昇。
そして、炎天下の中に置いておいた車にすぐ乗って、
5分ほどの距離で家電量販店に到着した。
エアコンはかけたけど、暑い車内にいたのでさらに上昇。
そのまま到着して炎天下の中、駐車場を歩いて、入口へ。
そのまま体温を測ったら、異常体温で入店不可。
「この暑さやったら、ちょっと外立っとっただけで、誰でも
店入れへんようなるわ!」
車の中で涼んでから出直すことにした。
充分涼んで、店の入り口まで行き、三度目の正直、
体温計に顔を近づけた。
「ピロリーン」
「36.7度」
緑色に光る画面。
堂々と、店内に入っていった。
買い物をすまして、店を出ようとしていると、
リュックを背負った男の人が入ってきた。
いかにも「歩いてきました」という感じで暑そうだった。
リュックの男の人が体温計に顔を近づけた。
首をかしげて「あれっ?」という顔をしている。
再度、測ってみて、じーっと画面をみている。
「どうするかな?」と見ているとそのまま店に入らず。
どこかへ行ってしまった。
リュックの人も入店できんかった。
次にお年寄りの夫婦がきて体温計でざわついていた。
どうやら、爺さんだけ引っかかったようだ。
「だめだこりゃ」
そう思って店を出た。
見たところ、体温計を無視して店内に入る人はいた。
僕も無視してそのまま店に入っても良かった。
だけど、あえて、体温を測って入店した。
体調バッチリですと、なんの後ろめたさもなく
気持ち良く買い物をしたかった。
それだけだった。
結局、体温が、夏の暑さで高くなりすぎて、
涼んでからもう一度出直す羽目になってしもうたけど…