もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

マカデミアナッツチョコの罠

ある日、ふと気づいたのです。

お風呂入っている時に、湯船に顔をつけたまま

両手で顔をマッサージすると、むちゃくちゃ気持ち良い事に。

しかも、ストレス発散にもなる。

夢中になって顔をもんでました。

 

次の日、朝起きて、顔の違和感に気づいたのです。

口が開かない…

開けようとすると、顎に激痛が走り、1センチほどしか

開けることができなかった。

顎関節症

調べると、今の自分の症状に当てはまっていた。

「あああああ!風呂で顔のマッサージし過ぎたー」

大きい声を出すと、顎が痛いので、心の中で叫んだ。

顎が痛いくても、仕事には行かなあかん。

あまり開かない口に、朝ご飯を放り込んで、

歯ブラシをねじりこむようにして歯磨きして、

何とか、支度して家を出た。

 

仕事中は眠くなって、あくびが出そうになっても我慢しなければ、

顎に激痛が走った。これは、つらい。

何とか、あくびをこらえて、3時の休憩時間を迎えた。

 

休憩室で休憩をしていると、何かを配っているのが見えた。

配っていたのは新婚のNさんだった。

新婚旅行で、しばらく休んでいたけど、今日から出社していたのだった。

「そういえば、ハワイに行ったんだっけ…」

Nさんが僕の前にきて箱を差し出した。

「チョコレート1つ、おみやげ。」

箱の中には、定番のハワイ土産「マカデミアナッツチョコ」が入っていた。

「あっありがとうございます…」

1個指でつまんで。お礼を言った。

「このチョコめっちや大きいやん!2センチぐらいあるやん」

つまんだチョコは、でかいビー玉くらいあった。

「口1センチしか開かへんのに、どないすんねん。」

つまんだチョコをじっと見つめていた。

 

このままでは、休憩が終わるし、チョコがとけてしまう。

絶対、捨てるわけにはいかん。

意を決して、左手の親指と人差し指をくっつけて縦に口に入れた。

「痛ででででで…」こえが漏れた。

そして人差し指を上に、親指を下に開いて口をこじ開けた。

すぐさま、大きく開いた口にチョコをねじりこんだ。

何とか、チョコが口の中に収まった。

口の中に甘くておいしいチョコの味が広がって、疲れた体が癒された。

 

しばらくして口の中に苦味が広がってきた。

口の中のマカデミアナッツチョコの、コーティングしていたチョコがなくなって

ただのマカデミアナッツになってしまったのだ。

「にがーい。」

休憩時間が終わって仕方なく、マカデミアナッツを口に入れたまま、

仕事場に戻った。

 

口の中で転がり続けるマカデミアナッツ。

それは、さながら「とけない飴」だった。

その「とけない、にがい飴」を、口から出すことも、かみ砕くこともできず

その日の仕事は終わった。

 

すぐ治ると思ってた顎の痛みは、この後2週間以上続くこととなった…

 

この経験によって、マカデミアナッツチョコは、

マカデミアナッツの食感と、チョコの甘さの二つの絶妙なハーモニーによって

成り立ってるということを、痛感したわ。

どちらかひとつ欠けても…ってちがうがな!

マッサージは気持ちよいけど、ほどほどにしましょうやろ!

 

口の中に残っていたマカデミアナッツは、自分で痛さに耐えて

美味しくいただきました。