もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

温厚だと思ってた人にイラつかれる

古本屋さんへ行った時の話。

その日も二、三十分ほど本を見て回り、三冊ほど手に取りレジに向かった。

レジには店長がいた。

店長は50代くらいの男の人で、話したことはないけれど、

人当たりの良い真面目で温厚な人に思えた。

 

レジ打ちする店長を前に、僕は小銭入れの小銭チェックをしていた。

支払いを素早くするためいつもやっている。

「三点で、1850円で...」

店長が支払額を言って、その後なんて言ったか聞き取れなかったが、

僕は千円札二枚と、百円玉三枚。そして十円玉五枚を受け取り皿において、

買った商品をマイバッグに入れた。

 

突然、店長がイラついた口調で僕に言ってきた。

「お客さんがそんな支払い方するからこんなになったんですよ。」

見るとそこにはバラバラの種類の小銭が数枚あった

おつりは500円玉1枚だと思っていたから訳がわからなかった。

そのまま、小銭を見たまま黙っていると、

「レジの画面が、そこからだったらナナメになって見えにくいのかなあ?」

左にあるレジの表示を見た。

そこには「1295」と数字が表示されていた。

 

「あれっ、もしかして聞き違えたか⁉」

1850と聞いたのに、いつの間にか変わっている。

「お客さんが自分で出してきたんで、おつりバラバラだけど仕方ないですよ」

訳が分からないまま

「すいません...」

と言って店を出た。

 

その時、店の壁に「30パーセントオフ」のキャンペーン張り紙の文字が見えた。

...謎がとけたわ。

僕が見た時のレジの支払額の表示は値引き前だった。

その後、財布からお金を出している間に値引きしたから、支払額の表示が変わった。

それに気づかずわけのわからん金額を払ってしまった。

店長は、おつりの計算が面倒だったので、イラついた態度をとったんだと思う。

 

温厚だと思っていた人にイラつかれたことがショックだったが、

しょうもないことでイラつかれたので、少し腑に落ちなかった。

しかし、30パーセントオフだったので我慢することにした。

 

しばらくして、またその古本屋へ行った

今日は店長はいなかった。

別の男の人とバイトの女の子がいた。

店の中にいたとき二人の話声が聞こえてきた。

「この前店長、「違う値札のシールはりやがって」ってめっちゃ怒ってた。」

「他人がまちがえたら、むちゃくちゃ怒る人やからな」

「店長、最近機嫌がよくないし。」

「何でですか?」

「さあ?いろいろあるんちゃう」

 

一度、「前回来店したとき値引きするの忘れてました」って店長が、

ひと月ぶりに来店した僕を覚えてて、返金してくれた事があった。

そんな真面目な店長が、あんなことでイラつくぐらい店長という立場は

ストレスが溜まるんだろうな。

よう知らんけど。

 

その古本屋にはひと月ほど行っていない。

だいぶ涼しくなって、手塚治虫石ノ森章太郎などの昭和の漫画を読むのに

よい季節になってきた。

そろそろ古本屋へ行くとしよう。

 

今度はイラつかれんように注意せなあかんな。

って、一応客なんやけどなあ...