漫画は紙で読む派(ニーティング・ライフ)
筒井哲也という漫画家の、その時の時代を風刺した作風が好きでよく読んでいる。
有名なのは、「予告犯」とか、映画化された「ノイズ」とか....
今回読んだのは
NEETING LIFEニーティング・ライフ
小森建太郎45歳は20年住宅リホームの営業マンとして勤めていた会社を辞めて、
ニーティングを始める。
ニーティングとは35歳以上の無業者が、就業にも学習にも意欲を持たず
ニートのような生活を送ることを意味する。
しかしそれは、必ずしも自堕落な生活を示すものとは限らない....とある。
ニーティングを送る工夫が、おもしろい。
ゴミ出しを窓からできるようにダクトを取り付けて改造したり、ネット通販サイトを
活用した生活物資の購入、そしてその宅配物の受け取り方法などすべてが
家から一歩も出ないですむように考えられている。
順調かと思われたニーティングに忍び寄る謎の人物。
そして隣りに引っ越してきた女子大生伊織澄香の騒音問題。
いったいいつになれば再び平穏なニーティングが送れるのか?
下巻からストーリーは急展開していく。
主人公を襲う謎の男、そして伊織澄香の正体。
そして突然始まる理不尽な隣国からの日本への侵略戦争。
果たしてニーティングはいったいどうなってしまうのか~⁉
(TOKIOの「ガチンコ」の時のナレーションのように....)
この話は、生きることに虚しさを覚えた男が、ニーティングを通してふたたび
生きることの意味を見つけ出すというお話。
最初はニーティングという言葉に興味を持って読み始めたけれど、
やっぱり現実は甘くない、お金がすべてと言ってよい。
主人公も年金がもらえるまでは生きていけるように資金計算をしてはいるが、
資金が尽きれば生きていけない。
そのため緊急脱出セットという自決用具を用意していざという時の覚悟をしていた。
最後、主人公は生きる希望を取り戻すのだが、少しだけ「ズルいな」と
思ってしまった。
「誰でもそうなってしまうやろ!」とツッコミたかったけれど
ちょっと泣きそうになったのでこれでよかったのだと思う。
「引きこもりするにも、結局のところお金かぁ....」
やっぱり人生は世知辛いな!
ごろんと寝っ転がって
「平日の昼間からゴロゴロ~ゴロゴロ~
あ~あ、親戚のおじさんがアラブの石油王だったらな~」