もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

夜勤と看護師とお医者と急患

 

母が入院してしまった。

ここ数日体調が悪いと言っていたのだが、ご飯も食べずテーブルに突っ伏したまま

動かなくなっていたのを発見したので急遽、病院に連れていくことにした。

 

もう夜の11時をまわっている。病院は閉まっている時間。

こんな時間に電話して機嫌悪かったら嫌やな....と思いながら、背に腹は代えられぬ、

とにかく、かかりつけの病院に電話してみた。

 

男の人が出た。

てっきり看護師が電話に出るのかと思えば夜間受付の人だった。

看護師さんに電話を代わり、状態を説明すると「来てもよい」との返事だったので

すぐ向かうことにした。

病院は家から10分の距離。すぐ着いた。

 

入り口の鍵は閉まっているのでインターフォンで開けてもらう。

中に入るとすぐに女の看護師さんが上の階から降りてきた。

 

自分が夜勤をやっていたので夜中に働く辛さは知っている。

てっきり、しんどそうにしてテンション低めなのかと思ったら違っていた。

ふつうに明るくやさしい人だった。

お医者さんもふつうに感じの良い男の人だった。

不愛想で機嫌が悪そうにしている人でなくて良かった。

 

母は元々喘息持ちであった。最近の気候の変化で喘息が悪化したようだった。

血中酸素濃度がかなり低くなっていて、少し危ない状態だった。

吸入器で煙みたいな薬を気道に入れてから、点滴をしてもらった。

 

すこしは母は楽になったようだったが、どうも血中酸素濃度がすぐ下がる。

「これはまたしんどくなって、また病院に来なあかんようになるわ....

入院したったほうがええわ。」

看護師さんの一言で、入院をすることに決めた。

 

入院するとなるとコロナが心配。母はPCR検査を急遽行うことになった。

青い防護服を着用する看護師さん。

こんな夜中にコロナの感染の危険にさらされながら検査しとる姿を見たら

頭が下がる思いがして、椅子に座ったまま仮眠をとりたかったが

なんか悪い気がしてきて、ずっと目を開けたまま宙を見ていた。

 

母は病院の4階に入院することになった。ナースセンターも4階にある。

説明をそこでするからと言われて、4階まで上がった。

 

夜のナースセンターは重々しい雰囲気だった。やはり昼間とは違う。

心電図モニターの「ピッ...ピッ...ピッ...ピッ...ピッ...ピッ....」という音がずっと

響いている。

そこに女の看護師さん2人が座って書類を書いていた。

2人共、少し険しくて疲れた表情、そして夜勤者特有の話しかけるなオーラを

身にまとっていた。

 

話しかけづらかったが、なんとか看護師さんの一人に気づいてもらい、

「本当はしんどいんだろうなぁ....」と思いながら入院の説明を聞いていた。

母と少し話をしてからの帰り際、ナースセンターの看護師さんに

「お疲れ様です、よろしくお願いします。」

と挨拶をした。二人の看護師さんは一瞥してから少し頭を下げてくれた。

 

夜間受付の人に鍵を開けてもらい、病院の外へ出た。

スマホの時計を見ると2時半を過ぎていた。

 

母はこれで一応一安心。やっと帰って眠れると思った時

病院の窓の灯りが目に入った。

「どれもこれも病院の先生や看護師さんが夜中に働いてくれとるおかげやなぁ」と

しみじみ感謝した。

 

この後、家に帰って寝ようとベッドに横になるが、長年やっていた夜勤のスイッチが

入ってしまい、全然眠れなくなるのであった....