もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

母のやらかし

うちの母は、もうすぐ後期高齢者

高齢者だからというわけではないが、たまにやらかす。

 

その日、役場と郵便局で手続きがあるから、連れて行ってくれと言う。

役場の手続きには、保険証が必要で、

郵便局では、印鑑と通帳と保険証が必要だった。

 

役場と郵便局は、距離的に同じ所にあって、家から10分で着く。

まず、役場で手続きを終わらせた時、家に印鑑を忘れたのに気が付いた。

「またか...と思ったが、確認しなかった自分も悪い」

仕方がないけど、来た道を家まで戻っていった。

「二度手間!」

 

印鑑を持って家から郵便局へ再び向かった。

郵便局に着いて、母が中に入っていく。

車の中で待っていると、しばらくして、母がでてきた。

そして、車に乗り込んだ時母が言った。

「郵便局の人が保険証なかったら、手続きできんって言うとるんや。」

さっき役場で使った保険証が、無い?

「ハァ?なんで!」

少しイラついた口調で僕は言った。

「もう、役場で使うたから、いらんと思うて家に置いてきたんや!」

「なんでやねん!」

思わずベタなツッコミが口から出た。

再び家に戻ることになった。

車内で、母は口数が減っていた、少し反省しているのだろう。

「三度目の正直じゃなくて、二度あることは三度ある...」

 

家に着いて保険証を取り、また郵便局へ向かう。

今日三度目の、同じ道。さすがに飽きた。

「片道十分、往復で二十分。それが三回で六十分......しんど」

 

郵便局で今度こそ、手続きが終わって母が車に乗り込んだ。

終わって気分が楽になったのか、いつものようにしゃべり始めた

「終わった、終わった、しかし何回、同じとこ通っとんや。腹すいたわ」

 

「もう、さっきまでの失敗忘れてるやん......」

 

こういう、うっかりにずっと付き合わされている。

こんな時は、甘いもの食べたなるなあ...