感謝されるのは苦手だが感謝してくれないと舌打ちする
人に感謝されるということは自分の存在が価値のあるものに思えてくる。
何気ないことで感謝されたが、自分はめっちゃ癒された。
昼下がりに、用事を済ますため車を走らせていた。
道路沿いにお店が並んでいる。車通りは少し多かった。
少し先の横断歩道にひとり、帽子をかぶりランドセルを背負った男子児童が見えた。
どうやら道路を渡りたいらしい。
自分の前を走る車も対向車も止まる様子はなかった。
「チェッしょうがないな、めんどくさいけど止まるとするか....」
僕は車を横断歩道の前の停止線で止めた。
「はやく、さっさと渡りたまえ」
児童は車が止まったのを確認すると走って横断歩道を渡っていった。
渡る児童に
「やさしいだろぅ?感謝しなはれ」
と心の中でつぶやいていた。
児童が渡り終わって車のアクセルを踏もうとしたその時、そのまま去っていくと
思っていた児童が突然振り向いて帽子をとり、こちらにお辞儀をしたのだった。
そして、通り過ぎる車の中に声変わりをしていないちょっと高い
「ありがとうございましたー」という声が響いた。
その刹那、ズギュウウウウーーーーーーンと心に沁みてくるものがあった。
「これがほっこりする」ということか....
何とも言えない充足感に包まれるのだった。
その後、自分がどんなことを思いながら車を止めたのか、思い出して恥じた。
「自分はまだまだ小物や!」
その後、道路沿いの駐車場から出てくる車を、入れてあげた。
運転手はこっちに目もくれず当然のように入ってきてそのまま行ってしまった。
「チェッ!」(手ぐらいあげてくれても....)
......そういうところがやっぱり小物やな
あの児童を見習えや....