もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

避難訓練の火元は理科室が多そう

 

9月1日は防災の日

 

防災といえば、そう!避難訓練!!

なんか、嫌な思い出がよみがえってきた....

 

あれは、自分が中学1年生の時、もう35年以上も前、昭和の時代。

昨日の終わりの会で聞いていたのか、今日、避難訓練があることを覚えていた。

 

当日は非常ベルがいつ鳴るかわからない。

少しソワソワしながらお昼休みが過ぎ、とうとう5時間目の授業になった。

 

授業が始まって30分ほどたった時、非常ベルがけたたましく鳴り響いた。

「来たっ!」

そして緊急の校内放送が流れた。

「只今、火災が発生しました。火災発生場所は校舎2階東側の理科室。

生徒の皆さんは校舎の西側の階段から落ち着いてグラウンドに避難してください。

繰り返します、只今、火災が....」

 

「みんな、落ち着いて慌てずにグラウンドへ集合!

私語は禁止!絶対走ったらだめよ!」

その時授業していた女の先生が少し緊張した声でそう叫んだ。

 

ぞろぞろと生徒たちが教室から出ていく。

階段降りるときは、ほかの人を押したりすることが無いように

左手の手首を右手でつかんで降りる。

ウチの学校では避難訓練にそんな決まりがあった。

 

グラウンドへは上履きのまま行く。

上履きがグラウンドの土で汚れるので、終わってから雑巾で靴の裏をキレイに

拭いてから校舎の中へ入らなあかん。

 

グラウンドに着いて避難が完了した。

グラウンドはすでに避難した生徒たちでいっぱいだった。

クラスごとに並んで、担任の先生たちは全員避難したか人数を確認していた。

 

避難訓練ももうほとんど終わりに近づいている。

生徒たちは気が緩んだのか、周りの人たちと話をし始めた。

自分はじっと黙って立っていた。親しい人も同じクラスにおらんしな....

 

「静かに!」と先生の声が校内放送で何度か聞こえてきた。

しかしみんなの話声で放送が聞こえないのか、いつまでたっても会話が止まない。

この状況になんとなく嫌な予感がしていた。

この後、予想通りとばっちりを受けてひどい目にあうことになる。

 

「静まれ!静まれ~静まらんかい!!」

突然、怒気を含んだ校長先生の声がグラウンドに響き渡った。

 

校長先生は剣道をやっていてめっちゃ礼儀やしつけに厳しい、そして怖い。

今までしゃべっていた生徒たちの声がピタッと止んでその場の空気が凍りついた。

 

「君たちは私語をやめろという放送が聞こえんのか?

何度も先生が放送しているのにどういうつもりなんだ?」

校長先生はそう言ってから

「全員その場に座れ!」

と生徒をグラウンドに座らせた。

 

そして公開処刑が始まった。

「1年1組26番立てっ!

....1年1組26番どこだ!!」

 

聞き覚えのある馴染みの番号。

よりによって僕の番号だった。

体から血の気がスーッと引くのが分かった。

 

「はい....」なんとか立ち上がる。

「「静かに」と先生が放送しているのに、ずっとしゃべっていたのは何故だ?

答えぇ!」

 

頭の中は真っ白になった。

「僕は一言もしゃべってないから答えられんやん?

おとなしくずっと黙ってたやん。なんなんこれ?なんで僕なん?なんで?」

パニくってしまい言葉が出ない。

 

何も言えないでずっと黙ったままの僕に向かって校長先生は

「もういい!しばらく立っとけ!!」

そう吐き捨てた。

 

他のクラスの人が答えているのを遠くで聞きながら、

「なんでこんな目に合わなあかんのや!」

と、下を向いて耐えていた。

 

一通り全学年全クラス聞き終えると、校長先生の話が始まった。

僕はそのままずっと立ったまま。

「忘れられてんの....?」

 

校長先生の怒りも収まってきてやっと話が終わった。

「全員、起立!」の号令がかかってみんな、立ち上がった。

「本日の避難訓練はこれで終了します。解散!」

悪夢の避難訓練がやっと終了した。

 

あの時「僕は一言もしゃべってません」と言えていれば!チクショ~‼

....いや、「ではなぜ、いつまでもしゃべっている生徒を注意しない?」

とか言うやろうな。

 

思い出しただけでふつふつと腹が煮えくり返ってくる。

自分に非がない分、まったく今だに納得がいかん!

 

避難訓練の標語

「お、は、し、も」

お、押さない

は、走らない

し、しゃべらない

も、戻らない

 

あの時の自分の「お、は、し、も」

お、お前らが

は、早くだまらんから

し、しゃべってない自分が

も、もろに、とばっちり受けたわ!

 

避難訓練で避難の方法学ぶはずが、人生においての理不尽さも学んだわ....