顔の知らない知人
コロナ禍になって、みんなマスク生活をしている。
マスクをかけただけで「風邪?」とか「花粉症?」って
聞かれてた頃がなつかしい。
毎週火曜日にヤクルトの配達の人がやって来る。
春から新しく担当になった人だ。
たまに受け取りに出るんだけど、よく考えてみたら、
顔を知らない。
前に来てた人は、コロナ禍以前から担当してたので顔は知っている。
でも新しい人は最初からマスク姿だ。
マスクより上の目くらいは見えるが、顔全体を見たことないので、
本当の顔を知らない。
新しく車を買った時には、営業マンも、出会ってから半年で退社
したので、結局、マスク姿しか知らなかった。
このコロナ禍で、マスク姿しか知らない人が多くなった。
この長期間のマスク生活を送っているうちに
顔見知りという関係が壊れていったなと思う。
顔を覚えることができなくなったから、人の判別が難しくなった。
だから、道でバッタリ見かけても挨拶するのに躊躇してしまう。
「知っている人のような気がする…けど確認ができない」
というようなことが多くなった。
顔は知らないけど、知っている人。
本当は知っているけど、顔を知らないから誰かわからない人。
まだしばらく、マスク生活は続きそうだから、
そういう人間関係がこれからもっと増えていくのだろう。
…結局、何が言いたいかというと、ヤクルトの配達の人の顔を
知らないままだから、寂しいなということでした。