もぐおのかばん

もぐおがいろいろ吐露します

閉店することになって、「小さい頃よく来てた」と言うのは「最近は来てない」という意味

今年は白い何だったのだろう?

 

話の内容は少し前のことになるけれど....

 

毎年、祭りの時期がくれば春の訪れを感じていた。

しかし今年は祭りに参加できなかった。というか参加をしなかった。

パン食を、自分の健康のために控えたこともあって、シールが集まらなかった。

....えっ何の話⁉

もちろんあの祭り、ヤマザキ春のパン祭りのことですよ。

 

祭りに参加しなかったのはもう一つの大きな理由があって、それは....

家から一番近いコンビニエンスストアヤマザキ」が閉店してしまったから。

その店で白いお皿と集めたシールを交換することに決めていた。

それができなくなったので、シールを集める気もなくなった。

 

コンビニは、ほかに「ローソン」や「ファミリーマート」とかあるけれど

車で10分くらいかかるし、ちゃんとした格好もせなあかん。

ヤマザキ」は途中に1つだけある信号をパスすれば、5分以内で行けた。

店員もおっちゃんなので、犬の散歩の格好で気兼ねなく利用できた。

おっちゃんとも軽く話しぐらいはする仲で、付き合いでクリスマスケーキや

恵方巻を買ったりもしていた。

 

しかし去年の年末、突然の閉店。

しばらく、足が遠のいていた自分には、寝耳に水だった。

 

ヤマザキ」の近所にある、馴染みの散髪屋のおばちゃんに、詳細を聞いてみた。

こういう時は散髪屋さんにくわしい情報が集まっている。

 

散髪屋のおばちゃんが言うには、

ヤマザキ」の店はおっちゃんと、その奥さんとで店を回していた。

奥さんはちよっとキツイ人で、おっちゃんがレジの最中に客と話してるだけで

「集中!集中!!あんたよう間違えるんやから」

と𠮟ってくる人だった。

 

おっちゃんはある日、自分の家の車をぶつけた。

奥さんは怒り心頭。すぐさま、おっちゃんは免許返納を言い渡された。

困ったおっちゃん。配達には車で行っていたのに....

仕方なく、自転車を押して配達に出かけていたおっちゃん。

ある日、自転車で転んで足の骨を折ってしまった。全治3か月の重傷。

当分、店には出れん。

 

ヤマザキ」は朝の6時から夜の10時まで営業している。

これから奥さん一人で店を回す事になってしまった。

しばらく営業を続けていたけど、それから間もなく

「しんどい....」

とつぶやいて、とうとう年末で閉める決断をすることになったという....

 

おっちゃんに「朝早くから、夜遅くまでしんどくない?」と聞いたことがある。

すると「ほかのコンビニがいつ店を閉めてもええように続けとるんや。

こんな店でもなかったら、この地域の人が困ってやろ....」

おっちゃんは静かに言った。

僕は「まあ、そうやなぁ」とその時は軽く思っていた。

その時、こんな形で閉店してしまうとは、ありきたりな表現やけど

「ホンマ、夢にも思わんかったわ。空き店舗見るたび、やるせねー」

 

夜遅く行くと、疲れてレジの横で顔を突っ伏しているおっちゃん。

夜は昭和歌謡を店で流すおっちゃん。

夜ご飯は、レジで客から背を向けて立ったままカップラーメンすするおっちゃん。

マイバッグ持参の客に袋詰めせんかったら、よく文句言われたおっちゃん。

常連客に「明日朝5時に開けといて」と言われて、店を開けておくおっちゃん。

 

おっちゃん、お疲れっスッ